ディスカバリーチャンネル

"理工系学生向けの長期的なブランディングに取り組む株式会社ダイフク。全国規模のチャネルと信頼関係で実現した「ハッカソンイベント」とは"

株式会社ダイフク 様

2020.02.03

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2019年夏に開催された、ハッカソンイベント「Daifuku Presents Discovery Hackathon 2019」。人々の暮らしを支える物流システムを半世紀以上にわたり提供してきた株式会社ダイフク(以下、ダイフク)とディスカバリー・ジャパン株式会社(以下、ディスカバリー)がタッグを組み、実現しました。毎日の生活や社会から課題を見つけ、アイデアを具現化し、暮らしや世界を変えるサービスやプロダクトを開発するハッカソンイベントに約200名の応募の中から86名の学生が参加。

こうした学生を対象にしたブランディング施策はこれまで経験がなかったという同社の大岩明彦氏に、ハッカソン開催の背景と具体的な取り組み、そして今後の展望についてお話を伺いました。

学生参加型イベントを通した認知度拡大施策


株式会社ダイフク 広報部 部長 大岩明彦様


ーー今回のお取り組みである「Discovery Hackathon 2019」はどのような背景からスタートしたのでしょうか。

大岩明彦様(以下、敬称略):昨今、人手不足や生産性向上などの社会課題に対する社会インフラの一つとして物流システムが注目されており、当社を含む業界の知名度が高まってきました。一方で、B to B企業である弊社のブランド施策を考えた時、次代を担う若い方々への訴求ができていないと感じ、理工系学生への認知度拡大のために、どのようなアプローチをしていけばよいのかと考えるようになりました。ちょうどそのタイミングで今回の取り組みのご提案をいただいたんです。

ディスカバリーさんでは、ターゲットである理工系の若年層や学生、大学との繋がりを持っている、というお話をきっかけにお打ち合わせを重ねる中で、今回のハッカソンの開催に繋がりました。ハッカソン自体は弊社とディスカバリーさん、そしてロフトワークさんの3社が中心になったことで結果的に、非常に広がり感のある、イベント単体で完結しない施策になったかと思います。

ーーディスカバリーを選ばれた理由について教えてください。

大岩:前職でアメリカに駐在していたころ、ディスカバリーさんとはお付き合いさせていただいたことがありました。また、個人的にもディスカバリーチャンネルは観させていただいたこともあり、そのスタンスはよく理解しているつもりです。

ブランディング施策において、ターゲットと企業が同じ価値観を持ち、同じ時間や体験を共有することは非常に重要だと思っています。ですので、ブランディング目的でイベントを開催することは効果的だと考え、ディスカバリーさんはその経験もあったので、今回の取り組みにつながっていきました。

自由度の高いハッカソンの開催でブランディング目的を実現する


ーーハッカソン開催までの経緯について教えてください。

大岩:そもそもハッカソンとはどのようなイベントなのか、よく分かっていない状態からのスタートでした。そもそもイベントを開催するうえで必要な要素はどのようなものだろうかなど、ディスカバリーさん、ロフトワークさんとディスカッションさせていただき、ハッカソンについても勉強になるヒントをいくつもいただきましたね。

弊社としても、お客様に満足のいくシステムを導入いただくことが、最終的に社会貢献に繋がると考えていますので、そうした社会貢献の部分を、ハッカソンのコンテンツになるよう仕込んでいきました。具体的なイメージが出来上がった頃には一気に話が進んでいったことを覚えています。

ーー実際にハッカソンを開催してみて率直な感想をお伺いします。

大岩:十分満足しています。我々がやるべきイベントや目指す方向性、その全容が今回の取り組みを通して見えた気がしました。

イベントのテーマとして「足りてるモノを 足りないトコへ」を据え、「Provide (提供)・Exchange (交換)・Share (共有)」のキーワードから、毎日の生活や社会から課題を見つけ、アイデアを具現化し、そこから暮らしや世界を変えるサービスやプロダクトを開発する、というものでした。その一連の流れの中で、弊社と参加者がどのような時間を共有し、どのようなメッセージを伝えていくべきなのか、しっかり考えることができたと思います。

一般的な宣伝広告施策であれば、「この媒体にこれだけの予算を投下すれば、これだけの露出効果が望めます」で終わってしまいます。パッケージ化されたイベントに弊社が協賛するのではなく、オーダーメイドでイベントのコンテンツを一緒に考えられたからこそ、開催するにあたっての我々の自由度が高く、非常にやりやすかったという印象です。

ーーイベント開催において、貴社と弊社との役割分担についてはいかがでしたでしょうか。

大岩:高い自由度の理由でもありますが、ディスカバリーさんとロフトワークさんにイベントの骨格となる部分はお任せしていました。その上で、他のイベントにはない弊社の独自性の要素を散りばめながら、ハッカソンのプランを練っていきました。

結果をみても、その役割分担が一番良かったのかなと思っています。

参加者目線のイベント動画は社内外からも高評価


ーー参加者からの評価はいかがでしょうか。

大岩:イベント当日の空気感や雰囲気、そしてアンケート内容からも、満足いただけたと捉えています。それはイベント期間を通して「ダイフク」の名前が前面に出過ぎるのではなく、一歩引いた中に我々の想いがあったからこそ、3日間のイベントを純粋に楽しんでいただけたのでしょう。

具体的な数値的な成果は、今後、徐々に得られるものだと考えています。参加者が今回のイベントで得た成果や経験を各々持ち帰って、大学の先生や先輩・後輩、ゼミの仲間を通じて、ゆっくり伝播され、評判が形成されていくものだと考えています。いつか、ハッカソンがきっかけでダイフクの名前が知られ、我々のファンになっていただけると嬉しいですね。

ーー社内からの評価はいかがでしょうか。

大岩:ハッカソンという今風なコンセプトもあり、社内からの評判は非常に良いです。あの規模感で開催できただけでも、それなりのインパクトがあったなと思っています。一方で、弊社若手社員と参加者の交流や、最新技術の紹介などの社内リソースが出し切れていなかったかなと。初回ということもあり、かなり抑え気味にしましたが、次回はもっと「ダイフクらしさ」を前面に出していきたいと思います。

また、イベントの開催に合わせてディスカバリーさんに撮影、作成いただいた動画に対しても高い評価をいただいています。地元テレビ局による取材時のVTRをはじめ、株主総会や会社説明会などでも活用させていただいています。それによるPR効果もあるのではないでしょうか。


動画の内容についても弊社が前面に出たものではなく、あくまで参加者である学生目線で撮影、編集されている点が好印象である理由だと考えています。実際に社内からも「うちでもこんなきれいな動画が撮れるんだ」との声を聞きました。

安心感のある信頼関係から、長期的な取り組みを

ーー今後の展望についてお聞かせください。

大岩:最初は、どのようにプロジェクトを取りまとめて良いかが分かりませんでしたが、我々の想いを実現いただいたのは本当に良かったなと感じています。それはディスカバリーさんとロフトワークさんとの信頼関係による安心感も大きかったですね。

こうしたブランディング施策は、最低3年程度は継続しないと答えが見えないと考えています。一回目のハッカソンの反省を次に生かして、繋げていきたいですね。会場や日程の調整も含めて、より参加しやすく、より運営しやすい体制を検討していきたいなと。弊社のブランディング施策の柱の一つに今後育てて行きたいと考えています。

ーーありがとうございました。

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