【明日への扉】太鼓職人 〜 父娘で守る 心に響く音 〜
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時に厳かに。時にリズミカルに。太鼓の音は力強く響き、心を震わせる。
太鼓は古くから日本人の生活に深く根付いてきた。
神にささげる儀式や五穀豊穣を願う祭りにおいて欠かせない楽器であったと同時に、戦においては士気を高め、命令を伝達する通信の役割さえあった。

広島県三次市で毎年開催される「きんさい祭」は夏の風物詩。老若男女が太鼓を打ちならし、街を練り歩く。
そんな郷土の文化を支え、親子七代、およそ200年にわたって続いてきた太鼓の工房が、喜八屋福藤太鼓店だ。

福藤太鼓店の伝統の音を支える七代目太鼓職人の福藤亜耶香さんは、現在職人歴4年目。師匠であり、父である六代目・雅之さんとともに太鼓づくりや修理に汗を流す。
幼いころから楽器の演奏が好きだった亜耶香さん。しかし、父の跡を継ぐ意思はなく、地元の企業に就職して会社員として働いていた。そんな亜耶香さんの気持ちを変えたのは、地元に伝わる神楽が好きな上司の言葉だったという。
「神楽の舞じゃなくて、神楽の太鼓の音が好きなんだっていう話をしてくださって。そこを見てる人もいるんだって、その時に初めて気づいた」と亜耶香さんは話す。
客は太鼓を買う人だけではない。その先にいる、演奏を聴く観衆もまた客なのだ。
だからこそ、亜耶香さんは「お客さんの先にもお客さんがいるんだっていうのを気づいた時に、その人たちの楽しみを繋いでいけたらいいなと思ったので、私が継ごうと思った」そうだ。

家業を継ぐ。
娘の決断に、父は「嬉しいのが半分、なんでかな?が半分」だったそうだ。「複雑な感じはありましたけど、実際一緒にやってみたら心配するようなこともなく、うまいことやってくれています」と話すその表情はあたたかい。
父の雅之さんは職人歴45年。父の高い技術にいつも驚かされているという亜耶香さんは、自分の技術になかなか自信を持てない時期もあった。注文が入っても「大将に作ってほしいかな、っていう気持ちがずっとあった」そうだ。
だが、「父が『娘が作ったんです』って言ってくれた時に、あなたが作ったんだねって受け入れてもらった時に、認めてもらえたんだなって思って嬉しかった」。
職人の技がこうして次の代へと受け継がれていく。
亜耶香さんは師匠でもあり父でもある雅之さんを「尊敬するけど、負けたくないなって思います」とも率直に語ってくれた。

福藤太鼓店には全国から修理依頼が舞い込む。亜耶香さんがこれから修理するのは、山口県岩国市の民謡の保存会から依頼された宮太鼓だ。

失敗できない作業が、始まる。
続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。
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Text by Discovery編集部