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【明日への扉】木具師 〜 千年の技 自然が創り出す清浄の美 〜

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茶の湯の聖地といわれる京都府上京区に、千年の技を守り続ける工房がある。

工房の当主・橋村萬象(はしむら ばんしょう)氏は、宮中を魅了した貴重な技を伝える木具師である。

橋村家の歴史は千年以上前、伊勢神宮に神具を納めることから始まったそうだ。794年の平安遷都を機に京都に移り住んでからは、宮中や公家に多くの木製品を納めた。そして明治以降は茶道家元のあつらえの道具などを中心に、茶人垂涎の品の数々を世に送り出してきた。



木具師が生み出す「木具」は、艶のある白木(しらき)と、年輪が水平に伸びる柾目(まさめ)、そして木を曲げて形作る「曲物(まげもの)」によって構成される。材料となるのは、長い年月をかけて陽光に育まれ、風雨に耐え忍んできた天然の木だ。

工房で主に使われている材料は樹齢250年以上の秋田杉、奈良県にある談山神社の御神木だった樹齢800年と伝わる吉野杉、そして尾張徳川家が厳格に管理をした尾州檜(びしゅうひのき)だ。それらが50年以上乾燥されて、はじめて木具作りに使われる。

「長い年月をかけて育てられた材料ですので、時空を超えた尊さがあります」と萬象氏は語る。「それを使わせていただく者にとっては、少しもおろそかにできないという気持ちがあります」。木の命を最大限に活かした木具作りは、髪の毛一本分の狂いさえも許されない。



そんな萬象氏の精密な技に憧れ、弟子入りした若者がいる。

木具師、橋村晋太朗(はしむら しんたろう)、36歳。萬象氏のご子息である。

幼い頃から父の背中に憧れていたという。高校を卒業と同時に父に弟子入りし、叔父の橋村佳明(はしむら よしあき)さんからも技術を学びながら、修業の日々を送っている。

「木が持つ自然の美しさがそのまま作品に出ますので、ごまかしが利かないというのがこの仕事の難しいところです」と晋太朗さんは話す。

ごまかしが利かない仕事と向き合うために、晋太朗さんが毎日欠かさず行っているのが清掃だ。木具は清浄を重んじられるため、かつて木具師は白装束で作っていたほどだったという。晋太朗さんは毎朝丁寧に工房を掃き清めることで、身を引き締め、心に白装束をまとってから仕事に取りかかっているのだろう。



晋太朗さんが制作するのは、茶席でお菓子を添える「銘々皿(めいめいざら)」。今回は抗菌作用がある秋田杉で作るという。

千年の時を経て木具師から木具師へと伝えられてきた技、そして木具師から使い手へと伝えられてきた想い。それはまるで年輪のように確かな標(しるし)となって美しい柾目を描き出している。

宮中からも信頼された確かな技とは──。

続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。


~at home presents明日への扉~

2020年10月からは放送時間を30分に拡大中!

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Text by Discovery編集部

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