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【明日への扉】筆に込められた和のこころ~落語の愉しみを伝えるまろやかな寄席文字

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落語のビラや看板に使われる太く丸みをもった独特の文字「寄席文字(よせもじ)」は、それ自体が江戸時代から受け継がれてきた伝統の技術だ。

震災と戦火に見舞われて一度は衰退した寄席文字だったが、元落語家の橘右近が復興に尽力し、昭和40年(1965年)には寄席文字の家元を確立した。

橘さつきさん(36)はその橘流を継承する一門のひとりだ。漢数字の「一」をひたすら書くところから始まり、6年間の修行を経て名取りとして認められた。「たかが文字、されど文字」だと明るい笑顔で話す。

いまやパソコンを操作して何百という書体の中から美しい文字を選んで印刷する時代。だが、印刷された文字から情感は伝わってこない。

寄席文字は「大入りになりますように」との願いを込めて、満員御礼の客席さながらに文字を隙間なく書く。また「業績が上がりますように」と右肩上がりで書く縁起文字でもあり、端正ながらあたたかみと躍動感が感じられる。



「文字は人なり」。文字には人間性が出るからこそ、書き手と読み手の心の架け橋となる。筆に墨と想いを含ませて一文字ずつ書き進めていく寄席文字は、技術的な修練の賜物でもあり、プロの心意気の集大成でもあるのだ。

続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。



~at home presents明日への扉~

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