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【明日への扉】漉き手と自然の織り成す結晶~1300年の伝統と歴史を受け継いだ美濃手漉き和紙~

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古くから私たち日本人は紙に包まれて生きて来た。

障子や襖はもちろん、生花や和菓子の下に敷いて飾ったり‥‥

自然から生まれた和紙は人々に優しく寄り添ってくれる。



幕府御用の高級紙として隆盛を誇ってきた美濃紙。


なかでも最高級「本美濃紙」は伝統的な製法と道具を使用し、色沢などの特質を保持したものだ。「本美濃紙」の手漉き技術は国の重要無形文化財に指定されており、2014年に「和紙 日本の手漉き和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録された。


障子に仕立てて陽に透かすと、繊維が均一に絡み圧倒的な透明感と白さを魅せる美濃手漉き和紙。


射しこむ光を清らかに包みこみ、見る人の背すじをシャンと伸ばす――そんな気品ただよう白さ。この白さに到達するまでの和紙職人の労力は相当なものだ。



「白くて無地の紙ほど漉いている人の心の状態を映し出してしまう」と話すのは、美濃手漉き和紙職人 千田崇統(せんだ たかのり)さん。作業に集中できていないとムラになったり、スカッとしない紙になるという。


また美濃和紙は「漉き手と自然の織り成す結晶のよう」とも話してくれた千田さんの目は穏やかで、満ち足りている。これまで世界中を旅して培ってきた叡智が反映されているからだろうか。


千田さんは岐阜県各務原市に生まれ、東京で大学生活を送りながら当時最盛期を迎えていたクラブ・カルチャーに影響され、ロンドンへ渡った。


異国の都会で暮らすうちに民族文化に興味を抱いた千田さん。その後東南アジアや南米各地を旅するなかで、ペルーのシピボ族と心を通わせる体験をした。そして村での生活を経て地に足のついた生活を志すようになり、岐阜県に戻ってきた。


妻・薫子さんと出逢い、家庭を持った頃に、はじめて美濃手漉き和紙を体験したという。そのときに、師匠となる伝統工芸士・市原達雄さんとの縁に恵まれた。


千田さんは市原さんに弟子入りし、3年間修行を積んだ後、6年前に師匠の工房を継いだ。今では薫子さんと信頼できる仲間たち、そして5人の子どもたちに囲まれながら、真摯に紙漉きと向き合う日々を送っている。



美濃手漉き和紙の原料は、楮(こうぞ)の皮と、「ねべし」と呼ばれるトロロアオイの根から抽出した天然のとろみ成分、そして水のみ。この三つを使って、漂白など一切せずに、障子紙のあの白さを作り出しているのだから驚きだ。


では楮とはどんなに白い木なのかと思えば、ごく普通の茶色い木肌をしている。一体、白くない楮の皮から、どうやったら究極の白さが生まれるのだろうか?


続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。

 

~at home presents明日への扉~

ディスカバリーチャンネルにて毎週金曜、夜10時53分から放送中。

明日への扉公式ページはこちらから。

https://www.athome-tobira.jp/

 

Text by Discovery編集部

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