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【明日への扉】島の守り神のつくり方〜平和と幸せを願う沖縄のシーサー〜

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沖縄らしい風景といえば、エメラルドに輝く海、風に揺れるデイゴの花や、「魔除け」として家々を守るシーサーの勇ましい姿だろう。


「シーサー」は琉球のことばで「獅子」を意味する。実は、沖縄のシーサーのルーツは遠く時空を隔てた古代オリエントの「ライオン」や、エジプトの「スフィンクス」にさかのぼるというから驚きだ。日本の狛犬も、もとは同じ源流から派生しているという。



昔から権力の象徴だった「獅子」は、シルクロードを経由して14世紀前後に琉球に伝わった。琉球王国時代にシーサーを設置できたのは城や王家の墓陵のみで、依然として権力の象徴として扱われていた。


そのシーサーが庶民に広まったのは明治時代に入ってからだ。民家にも赤瓦の使用が許されるようになり、職人たちは葺いたばかりの赤瓦の屋根の上に漆喰で作ったシーサーを置くようになった。


シーサーは一体で設置されることもあるが、雄と雌の一対となっていることが多い。右側で口を開けているのが雄、そして左側で口を閉じているのが雌である。雄は開いた口から福を吸いこみ、雌はその福をため込むという。さらに、シーサーたちの間には結界が張られ、侵入してこようとする沖縄の魔物「マジムン」を追い払うと信じられている。


こうして、かつて権力の象徴だったシーサーは、やがて一般の人々の生活にも根ざした島の守り神となったのだ。


ところで、シーサーと一口に言っても、その表情やポーズはそれぞれが異なり、実に個性豊かだ。人の背丈ほどもある巨大なシーサーもいれば、手のひらサイズの愛らしいシーサーもいる。これらのシーサーたちは、誰の手によって、どのように作られているのだろうか。


沖縄本島中部にある読谷村(よみたんそん)。この地は多くの窯元が集まる「焼き物の里」だ。


窯元のひとつの「やちむん家」では、若きシーサー職人・新垣優人さん(26)が、師匠である父の新垣光雄さんと共にシーサーを作っている。



優人さんの祖母・キクさんは最高齢の女性シーサー職人であり、また祖父の栄得さんは90歳まで現役でシーサー作りに励んでいたという。家族で焼き物を作っている正真正銘の「やちむん家」なのだが、優人さんにはもともとシーサー職人になる気はなかったのだそうだ。


その気持ちを変えたのが、父・光雄さんが製作し、京都の清水寺に奉納する一体の龍神だった。その技術の高さに胸を打たれた優人さんは、父の背中を追ってシーサー職人になることを志した。


いまやシーサー職人となって5年。優人さんは沖縄の土にこだわった迫力のあるシーサーを作り続けている。「気持ちを打ちこむとシーサーは生きる」、こう優人さんは語る。果たして、そこにはどんな気持ちが込められているのか。そして完成したシーサーの険しい表情には、どんな願いが込められているのだろうか。



続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。



~at home presents明日への扉~


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Text by Discovery編集部

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