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【明日への扉】常滑焼 急須屋 〜 故郷の土と生きる 〜

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1000年続く焼き物の街、常滑。その地名は「常」に土が「滑」らかなことに由来しているという。

常滑焼の歴史は平安時代末期にまで遡る。当時知多半島周辺には3000もの窯が築かれたといわれ、それが常滑焼の礎となった。



常滑で急須が作られるようになったのは江戸時代後期のことだ。煎茶が広まったのを機に、用の美を追求した朱泥急須が誕生した。

一見とてもシンプルな朱泥急須。だが、お茶を美味しくする知恵がたくさん隠されている。



その秘密は鉄分を多く含んだ「朱泥」と呼ばれる常滑の土にある。朱泥は火を入れることで焼き締まり、水漏れしにくい急須に仕上がる。また、酸化焼成という焼き方により、土の鉄分が鮮やかな朱色を作り出す。同じ土でも焼き方を変えれば鉄分が還元され、黒色に焼き上がるという。

さらに、朱泥に含まれる鉄分は、お茶のタンニンと反応して渋みを和らげ、まろやかな味に整えてくれるそうだ。

加えて茶葉を攪拌しやすい形状、取っ手の持ちやすさ、注ぎ口の茶切れの良さなど…、朱泥急須のすべてはお茶を美味しく淹れることにつながっているのだ。



常滑では急須専門の陶工を「急須屋」と呼ぶ。中でも、伊藤雅風さん(33)は土づくりから始まる工程をすべてひとりでこなす数少ない急須屋のひとりだ。



雅風さんの朱泥は「本朱泥」という貴重なもので、土本来の肌触りと深みのある朱色が特徴だ。自ら現地で吟味した原料のみを使い、昔ながらの製法で不純物を取り除きながらきめ細やかな土を作っていく。半年かけて水分を抜き、さらに2、3年ほど寝かせて土を熟成させるという徹底ぶりだ。

「丁寧に、大切に、という意識もありますし、自分が作りましたって胸を張って言えるかな、とも思いますね」と雅風さんは話す。

「2、3年かけている土なので、愛着というか、やっぱり土の良さを実感しながらろくろで挽いています。土に感謝しています」とも。



急須作りはもちろんのこと、急須そのものが「とにかく好き」な雅風さんにとって、急須屋はまさに天職なのだそうだ。

そんな雅風さんが考える朱泥急須の魅力とは?

「すごく手間がかかるんですよね、急須っていうのは。でも僕はそこが結構気に入っていて、パッと形が見えてこないところ、徐々に見えてくるところが面白いかなと思っています」。

雅風さんの技と想いが込められた急須作りを、ぜひご覧いただきたい。

続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。


~at home presents明日への扉~

ディスカバリーチャンネルにて毎月第3木曜日 19:30~20:00、再放送は翌々週の日曜日 08:30~09:00に放送中


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Text by Discovery編集部

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