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【明日への扉】金継ぎ師 ~ 時をつなぐ新たな美 ~

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金継ぎは、破損した陶磁器を漆と金属の粉を使って修繕する日本古来の伝統技法だ。

かけがえのない器を単に元通りに直すだけではなく、器に宿る想いもつなぎ、それまで以上の美と価値を生む。



金継ぎの始まりは、茶の湯文化が隆盛した室町時代からとされている。高価な茶器の修復と、不完全なものにも美を見出すという「侘び茶」の精神が結びつき、発展した技だ。

江戸時代には修復専門の継物師が登場し、器の修繕に価値を見出す文化が庶民の間にも広まった。



2024年1月に発生した能登半島地震では、石川県の伝統工芸のひとつである九谷焼の窯元も多くが被災し、大打撃を受けた。それら一つ一つには、先人の技や想いが詰まっている。
 
その想いを後世につなぐ、若き職人がいる。



金継ぎ師、中岡庸子(なかおか・ようこ)さん。

幼いころから神社仏閣を訪ねるうち、文化財への興味を抱いたという中岡さん。特に修復作業への憧れが強く、京都の芸術大学で漆工芸を学び、その後大学院にも進学した。
 
卒業後は蒔絵のアクセサリーなどを制作するかたわら、海外を拠点に活動する更谷富蔵氏に弟子入りし、蒔絵の修復を手掛けるように。中岡さんのもとには次第に金継ぎの依頼が舞い込むようになり、現在では金継ぎ師としても活躍している。



中岡さんのこだわりは、本漆を使うこと。「本漆金継ぎ」という、室町時代から続く伝統技法だ。高度な技術を要するが、強靭で、かつ食器にも安全に使用できるという大きな特徴がある。

金継ぎには技術的な難しさがあるものの、「持ち主の方の意向に沿う、器の意向に沿うという点ではとてもやりがいのある楽しい仕事」だと中岡さんは話す。

また、金継ぎは多くの工程を要し時間がかかるが、それは「険しく長い復興の道のりと同じ」だと中岡さんは感じているそうだ。

金継ぎは、あえて傷跡を隠さずに見せるのが特徴。
復興といっても完全に直りきるものはないが、金継ぎでの修復を通して「何かしら気持ちを立て直すことの役に立てればうれしい」と話す。



今回中岡さんに依頼があったのは、割れてバラバラになった九谷焼の香炉の蓋。細かい文字を描く「毛筆細字技法」の基礎を築いた明治・大正期の名工、小田清山の作品だ。

土を焼いた陶器とは違い、磁器である九谷焼は、ガラス質で硬いため、難易度が高いという。



器に息づく作家の技、持ち主の想いを感じ取りながら、美を生み出す──。

中岡さんの金継ぎの仕事を追った。


続きは、ディスカバリーチャンネル放送から。


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ディスカバリーチャンネルにて毎月第3木曜日 19:30~20:00、再放送は翌々週の日曜日 08:30~09:00に放送中


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Text by Discovery編集部

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